横断歩道を歩いていたとき、曲がってきた車と接触した。スーパーの駐車場でバックしてきた車にぶつかり、転倒してしまった。そんな事故に遭うと、「自分は車を運転していなかったけれど、整骨院にも相談できるの?」と迷う方がいます。
歩行中に自動車やバイクと接触してけがをした場合でも、医師による診察を受けたうえで、打撲や捻挫などについて整骨院の柔道整復師に相談できる場合があります。ただし、歩行者の事故は頭部や胸腹部、骨折など重大なけがにつながることもあるため、整骨院へ先に向かうのではなく、まず医療機関で身体を確認することが大切です。
むさし鍼灸整骨院 久留米院の院長・吉武です。今回は久留米市で歩行中に交通事故に遭った方へ、事故直後の対応、転倒して痛めやすい場所、整形外科と整骨院の役割、保険会社への確認まで分かりやすく解説します。
歩行中に車と接触したら、まず何をすべき?
歩いているときに事故に遭う場所は、横断歩道だけではありません。駐車場内で動き出した車、見通しの悪い路地、交差点を左折する車などと接触することもあります。衝突が軽く見えても、身体を直接打ったり、転んで頭や手足をぶつけたりする場合があります。
大切なのは「事故直後に立てたから大丈夫」と判断しないことです。衝撃を受けた場所、転倒した方向、頭を打ったかどうか、地面に手をついたかなどを医師へ伝えましょう。
こんな症状は整骨院より先に救急受診を
意識がぼんやりする、頭を打って繰り返し吐く、激しい頭痛がある、胸やお腹を強く打った、息がしづらい、手足が動かしにくい、出血が多い、足に体重をかけられないなどの場合は、119番通報を含めて緊急の医療対応を優先してください。
特に頭を打った可能性がある方、高齢の方、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる方は、目立った外傷がなくても医師の評価が重要です。歩けるからといって、頭や身体の内部に問題がないとは限りません。
警察への届出と医師の診察を忘れずに
国土交通省は、交通事故後は警察への届出、相手の車両や連絡先などの確認、医師の診断を受けることを案内しています。歩行者であっても、車のナンバー、相手方の氏名と連絡先、保険会社の情報、事故が起きた日時や場所を分かる範囲で記録しましょう。
警察に人身事故として届け出る必要がある場合は、医師の診断書などについて確認してください。事故から受診まで長く時間が空くと、けがと事故との関係を確認しにくくなることがあります。まず医師の診察を優先し、事故の被害者が最初にする手続きの記事も参考にしてください。
歩行者の事故は、膝や手首などを痛めることがあります
自動車同士の追突事故と違い、歩行者は座席やシートベルトに守られていません。接触した瞬間だけでなく、その後に転倒した際にも身体に衝撃が加わります。「車が当たったのは脚なのに、手首も痛い」というように、複数の部位に症状が出る場合もあります。
膝・すね・足首を打った、ひねった
車のバンパーなどと脚が接触すると、膝やすねの打撲、転倒による足首の捻挫などが起こる可能性があります。歩いて帰れた場合でも、あとから腫れたり、階段の上り下りがつらくなったりすることがあります。
膝が大きく腫れる、曲げ伸ばしが難しい、足をつけない、関節が不自然に動くといった症状があるときは、骨折や靱帯などの損傷も確認する必要があります。自己判断で強く動かす前に整形外科を受診してください。
転倒時に手をつき、手首や肩を痛めた
車にぶつかられた驚きで身体を支えようとすると、とっさに手をつくことがあります。このとき、手首の捻挫だけでなく骨折が起こる場合もあります。手首の腫れ、握りにくさ、親指の付け根の痛みなどが続く場合は、医療機関で確認しましょう。
肩や肘を地面にぶつけた場合も同様です。「打撲だから放っておけば大丈夫」と思わず、痛む場所を医師に伝えてください。
転倒後の首・腰の痛み、頭部への衝撃
倒れるときに身体をひねって、首や腰の痛みが出ることもあります。ただし、首の痛みをすべてむちうち、腰の痛みをすべて筋肉のこりと決めつけることはできません。頭部への衝撃や神経症状があれば、診察と必要な検査を優先しましょう。
翌日以降に痛みが出てきた場合は、事故の数日後に首や腰が痛くなった場合の記事で、受診と警察への相談の流れを紹介しています。
歩行者事故の状況を医師へ伝えるためのチェックメモ
「車にぶつけられた」と伝えるだけでは、身体のどこにどのような力が加わったのかが分かりにくい場合があります。事故が起きたときのことを思い出せる範囲で、次の内容を記録しておくと診察時や保険会社との連絡にも役立ちます。
| 事故の場面 | 医師へ伝える内容の例 |
|---|---|
| 横断歩道で左折車と接触 | 身体の左右どちらに当たったか、転倒したか、首や頭を振られたか |
| 駐車場で後退する車と接触 | 車体のどの部分と接触したか、膝・すねを打ったか、転倒後どこが痛むか |
| 車を避けて転倒 | 接触はあったか、地面に手をついたか、頭部を打った可能性があるか |
| 事故のあと歩けた場合 | その場での痛み、帰宅後・翌日の変化、腫れやしびれの有無 |
事故の記憶が曖昧な場合は、無理に推測で埋めず「覚えていない」と伝えてください。現場の写真や目撃者の話、警察の記録などがあれば、事実と推測を分けて整理することが重要です。
受診後の生活で記録しておきたいこと
歩行者の事故は、足や膝のけががあると通勤時の階段、買い物、犬の散歩、子どもの送り迎えなどに影響することがあります。「家から駐車場まで歩くと膝が痛い」「手首が痛くて荷物を持てない」のように、具体的な困りごとを記録しておきましょう。
痛みの程度を強く伝えることが目的ではありません。症状の変化を正確に医師へ説明し、必要な診察や対応を受けやすくするためです。痛みが増している場合には次回の予約日まで待たず、医療機関に相談してください。
歩行中の交通事故でも整骨院に相談できますか?
はい。医師の診断を受け、施術の適応や注意点を確認したうえで、柔道整復師が対応できる打撲・捻挫などについて整骨院に相談することは可能です。歩行者だったという理由だけで、相談ができなくなるわけではありません。
むさし鍼灸整骨院 久留米院では、医療機関への受診状況を伺い、事故によってどの部位が痛むのか、歩行や立ち上がり、階段、家事や仕事で何に困っているのかを確認します。柔道整復師の業務範囲で対応できるか、医師への再相談が必要かを分けてご案内します。
一方で、整骨院は医師による診断、レントゲンなどの画像検査、薬の処方、診断書の発行を代わりに行うことはできません。骨折や脱臼については応急手当を除き、医師の同意などの条件があります。「整骨院へ行けば必ず治る」「後遺症を防げる」といった保証はできません。
整形外科と整骨院では、役割がどう違う?
| 相談すること | 整形外科などの医療機関 | 整骨院 |
|---|---|---|
| 歩行者事故による骨折・頭部外傷などの確認 | 医師が診察・必要な検査・診断を行う | 診断や画像検査はできない |
| けがの治療方針 | 医師が決定し、薬や必要な治療・リハビリを検討 | 医師の診療方針を踏まえ、対応範囲の施術を相談 |
| 打撲・捻挫などの施術 | 医療機関で治療を受けられる | 柔道整復師の対象範囲で施術を検討 |
| 事故の診断書 | 医師が発行を判断 | 医師の診断書は発行できない |
日本整形外科学会も、整形外科の医師と柔道整復師の業務範囲が異なることを説明しています。両者を対立する選択肢として考えるのではなく、必要な診断や治療を受けながら、整骨院への施術相談を希望する場合は医師や保険会社へ確認することが大切です。詳しくは整形外科と整骨院の併用についての記事をご覧ください。
歩行者でも自賠責保険の対象になりますか?
自動車やバイクが関係する人身事故で歩行者がけがをした場合、条件を満たせば相手方の自賠責保険などによる補償の対象になり得ます。歩行者が自動車保険に加入していないから補償を受けられない、ということではありません。
国土交通省によると、自賠責保険の傷害部分では、必要かつ妥当と認められる治療関係費などが対象になります。ただし、事故と施術の関係、施術の必要性、保険会社の支払い対応、事故の状況などによって扱いは変わります。整骨院に通えば必ず窓口負担0円になるわけではありません。施術を始める前に確認してください。
また、相手が自転車だけの場合は、自動車の自賠責保険とは制度が異なります。自転車側の個人賠償責任保険などの加入状況によって対応が変わることがあるため、事故の相手が車・バイク・自転車のどれだったのかを必ず伝えてください。
通勤途中・仕事中に事故に遭った場合には労災保険が関わる場合もあります。補償や治療費の説明が複雑なときは、勤務先や保険会社にも相談してください。
整骨院の施術を希望する場合の4ステップ
- 医師の診察を受ける:車に当たった場所と転倒時に打った場所、症状が出始めた時期を伝え、必要な診断・検査を受けます。
- 医師に整骨院の利用希望を相談する:歩くときの膝の痛み、手首の不調など、どの症状について施術を希望しているか伝え、受けてはいけない施術や診察継続の必要性を確認します。
- 保険会社に施術と費用の取扱いを確認する:事故の受付番号、整骨院名、施術部位、保険会社に必要な情報を伝えます。支払いの可否を事前に確認しましょう。
- 症状の変化を記録して通院する:歩ける距離、階段での痛み、膝や手首の腫れ、受診日と施術日などを控え、医師にも変化を伝えてください。
「歩行者として事故に遭ったから、整骨院だけ通えばよい」という意味ではありません。診療と施術の必要性を確認し、身体の状態に合った通院方法を考えることが大切です。
久留米市で歩行中の交通事故に遭った方へ|むさし久留米院から
むさし鍼灸整骨院 久留米院では、車に乗っていた方だけでなく、歩行中に車と接触した方の身体の不調についてもご相談を受けています。例えば「転倒して手をついてから手首が痛い」「事故のあと膝が気になって階段がつらい」「病院に通っているが整骨院にも相談できるか知りたい」といったお悩みです。
まず医師の診察結果と現在の症状を伺い、当院で対応できる範囲をご説明します。大切なのは、交通事故という名前だけで同じ施術をするのではなく、どのように身体へ衝撃が加わったのか、一人ひとり確認することです。必要に応じて医療機関への再相談をおすすめします。
当院は福岡県久留米市国分町1168-9にあります。事故後の施術相談の詳細は交通事故専用ページから確認できます。医療機関と保険会社への確認がまだの方も、まず必要な手順を整理してからご相談ください。
よくある質問
横断歩道で車にぶつかられました。歩行者でも整骨院へ相談できますか?
はい。医療機関で診察を受けたうえで、打撲・捻挫など柔道整復師が対応できる状態なら相談できます。ただし、施術の必要性や費用の補償は個別に判断されるため、医師と保険会社へ確認してください。
駐車場で接触し、その場では歩けました。病院へ行く必要がありますか?
その場で歩けたとしても、骨折や頭部・身体の内部のけががないと判断することはできません。車と接触した場合は、早めに医療機関で相談してください。頭を打った、強い痛みなどがある場合には救急受診を優先します。
車と直接ぶつからず、避けた拍子に転倒しました
直接接触がない場合でも、事故との関係が問題になることがあります。警察への説明、目撃者や記録などが重要です。けががあれば医療機関へ相談し、保険の扱いは事故状況を伝えて個別に確認してください。
相手が自転車だった場合も自賠責保険が使えますか?
自動車の自賠責保険は、通常の自転車だけが相手の事故には原則適用されません。自転車側の賠償責任保険などの有無、事故の状況によって異なりますので、警察・保険会社に確認してください。
交通事故の慰謝料は歩行者でも受け取れますか?
自動車との事故でけがをした歩行者についても、事故状況や損害に応じて慰謝料などの補償が対象になり得ます。ただし、金額や対象日数は一律ではありません。詳しくは交通事故の慰謝料と通院の記事も参考にし、個別の条件は保険会社などへご相談ください。
まとめ|歩行者の事故でも、身体の相談先を知っておきましょう
歩行中に車と接触した事故は、膝・手首・足首の打撲や捻挫、首や腰の痛みだけでなく、頭部や身体の重大なけがにも注意が必要です。事故後は警察への届出と医師の診察を優先し、そのうえで必要な場合には整骨院の柔道整復師にも相談できると知っておいてください。
久留米市で歩行者として交通事故に遭った方も、不安を一人で抱え込まず、症状と通院状況を整理しながら、適切な相談先を選びましょう。
参考情報
- 国土交通省「交通事故にあったらまずどうする?」:警察への届出、加害者情報、医師の診察。
- 国土交通省「自賠責保険・共済ってどんなもの?」:人身事故の補償の基本。
- 国土交通省「限度額と補償内容」:必要かつ妥当な治療関係費等。
- 日本整形外科学会「整形外科と接骨院(いわゆる整骨院)」:医師の診断と柔道整復師の業務範囲。








